第21章 それぞれの想い
[美琴]
「なんであんなこと言われたのに、平気で居られるんですか?!」
怒りが収まらない水樹ちゃんに、私は苦笑してタオルを畳む。
「…香澄さん、私とどう接していいか、分からないんだと思うの。言い過ぎだったけど、本心じゃない。
葉山さん達も巻き込んじゃって…私、もう一回謝りに行ってくる。
だから、水樹ちゃんもこの話は、もうおしまいにしましょ。ね?」
「うぅ……。でも、この話、部長には言わないとダメですよ!」
「水樹ちゃん…。」
水樹ちゃんの剣幕に、どう説得したらいいか悩んでいると、優希と副部長が体育館に顔を出した。
すると、水樹ちゃんがバッと立ち上がって、優希に掛けよって行ってしまった。
「待って、水樹ちゃんっ!!」
必死に水樹ちゃんの後を追い掛けたが、運動音痴で足の遅い私は、結局止めることも出来ず、結果、激怒する優希が出来上がった。