第21章 それぞれの想い
[征十郎]
=男子バスケ部体育館=
練習が終わる前、優希がタオルを持った水樹さんを連れて、凄い剣幕で体育館に乗り込んできた。
「香澄さんは?!」
「え?」
怒りに燃える目で睨まれた部員が竦み上がっている。
俺は、優希の前に歩み出て、一礼した。
「うちのマネージャーの件だね。男子部の部長として、謝ろう。申し訳ない。」
そんな俺の態度に驚いたのか、2人の動きが止まった。
俺は頭を上げ、2人を見据える。
「さっき、赤司の家とは話を着けた。
…彼女は、もとの生活に戻ってもらうことになった。
今ごろ、彼女の所にも連絡が云っている頃だ。」
「それって…?」
「タオルを預かろう。すまなかった。」
1軍のマネージャーに合図を出し、タオルを預からせ、話は終わりだと、俺は態度で示した。
そして、本日最後のメニューをこなすよう部員に指示を出す。