第21章 それぞれの想い
=放課後=
「征ちゃん。」
「玲央か。」
部活の打ち合わせで、多目的室に向かう途中、廊下で玲央と会い、一緒に向かう。
「早く打ち合わせ終わらせて、体育館で練習しましょ?」
「あぁ、そうだな。」
俺たちは、多目的室の扉を開け、近くの椅子に腰掛ける。
練習メニューなど、他愛ない話をして、監督達を待っていると、扉が開き、優希と女子部副部長が入ってきた。
「赤司様、実渕さん。」
「優希か。」
「やっほー、優希。
……うん、悩みが解決したのね?」
優希が、昨日までの顔と全然違うので、俺も玲央もすぐに感じ取って、眉をあげた。
「お陰さまで。あ、そういえば、美琴が昼休みに、赤司様のとこ行ったんだけど、会えました?」
「いいや。ちょうど席を外していた。」
「そっか。じゃー、部活後にもあの子の話、聞いてあげて。」
「あぁ。楽しみにしてる。」
俺は、この前の泣き顔の美琴を思い出し、苦笑すると、丁度監督陣が入室してきたので、俺たちは立ち上がって一礼し、顔を引き締めた。