第21章 それぞれの想い
「……言っていいことと、悪いことがあんよ、香澄ちゃん。
男子部も女子部も、同じIHに向けて練習頑張ってんだから、変なこと言うなよ。」
「そーじゃ。俺たちも、女子部も、同じバスケ部で、全国1位を目指してるんだ。
滅多なことは言うんじゃない。」
根武谷さんも私たちの間に入り、仲裁してくれる。
でも、この雰囲気をつくってしまったのは、明らかに私で、私は、深々と頭を下げた。
「ごめんなさいっ!私が悪いんです!
…香澄さん。……私に気分を害したから、出た言葉ですよね?本気じゃない。ですよね?
…あの、このタオル。ちゃんと畳んで、もう一回渡しにいきます。
だから、お願いします。練習してください。水樹ちゃん、戻ろうっ!」
まだ何か言いた気な水樹ちゃんの腕を引っ張って、女子部の体育館へ引き返した。
「っ!!」
私達がいなくなった後、香澄ちゃんは体育館から出ていった。
しかし、誰も彼女を追う部員はいなかった。