• テキストサイズ

~スミレ色の婚約者~【黒子のバスケ☆赤司】

第21章 それぞれの想い


「っおっしゃーーーーー!!!」


根武谷センパイの雄叫びが響く体育館。

2軍・3軍の体育館を回り終え、私たちは1軍の体育館へタオルを渡しに行った。


「もー!相変わらず、根武谷センパイうるさい!!」


水樹ちゃんは、暑苦しーっと呆れた顔をしながら、体育館へ入っていく。
私は、その後を追って、着いていった。


『…なんでそんな風に、根武谷センパイの大きな声に、平気で居られるんだろう…』


居心地が悪くて、早く1軍マネージャーさんにタオルを渡して帰ろうとすると、香澄さんが、こっちに来てくれた。


「ご苦労様でした。タオル、もらいます。」

「あ、はい。お願いします。」


私はタオルを香澄さんに渡す。すると、タオルのタワーが崩れて、床に散らばってしまう。


「あっ!ごめんなさい…。」


私は散らばったタオルを拾おうと、しゃがむ。


「西園寺さん。しっかりしてください。せっかく畳んで持ってきてくださったのに。」

「ごめんなさい。そうですよね。」

「もう一回、洗濯した方がよろしいんじゃなくて?
あ、でもこの練習終わるまでに乾かないですよね。」

「……ごめんなさい。」


香澄さんの言ってることはもっともで、私は、とにかく散らばったタオルを拾い集めた。


「美琴センパイっ!大丈夫ですか?」

「水樹ちゃん……。」


床に散らばったタオルを拾っていると、水樹ちゃんが拾うのを手伝ってくれた。
2人で落ちてしまったタオルを抱えると、水樹ちゃんが香澄さんに詰め寄ってしまった。


「……無茶苦茶言わないでください、香澄センパイ。
私たち、女子部のマネージャーです。
そんなこと言うなら、自分達でタオルぐらい畳んでください。
私たちだって同じ、IH予選控えてるんですから。」

「何言ってるの?女子部と男子部、どちらが学校から期待されていると思ってるのよ。弱い女子部は黙って、男子部の手伝いでもしてればいいのよ。」

「なっ!?」



パンっ



水樹ちゃんが、怒って掴み掛かる前に、葉山さんが香澄さんの頬を叩いていた。

/ 164ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp