第16章 合宿、最後の夜 ※R18指定
[美空]
「んっ……ふぅっ……ん」
涼太に抱きすくめられて、激しく唇を貪られる。
『なんで、キスされてるの?』
酸欠なのか、身体の力が抜けていく。
それを感じたのか、涼太は唇を放し、最後にチュッと私の口元にキスを落とし、笑った。
「…涼太…?」
たくましい腕に抱き締められながら、私は涼太の顔を見た。
「好きな相手のこんな格好見たら、理性飛ぶっスよ。」
「こんなって…ルームウェアだし。もう寝るだけだったから…」
涼太の言ってる意味が今一つわからなくて、私は首を傾げる。
「髪の毛。下ろしてるの初めて見たっス。」
涼太は、右手で私の髪を一房とって、唇に寄せた。
その顔がすごくセクシーで、胸が今までとは違うドキドキを奏でる。
「…今、何してたっスか?」
「…ぇ?ぁ…今日の写真の編集。明日までに終わらせておこうと…思って…。」
私は、自分のドキドキを悟られないように、さっきまで操作していたパソコンを見た。
そして思い出す。
明日から、涼太と離れてしまうということ。
「それ、まだしないとダメっスか?」
いつもと違う、涼太の少し掠れた声に、なんだか落ち着かなくなってくる。
「りょ、涼太。あの…」
「ん?…なんスか…?」
涼太は、私の髪に顔を埋めていたと思ったら、首筋にキスされた。
「ぁんっ…」
ビクッと身体が反応して、自分の出した声に驚く。
「…美空っち、首感じる?」
耳元で、涼太の低い声がする。
「っん…ゃ…」
力が入らない身体で、イヤイヤと首を振る。
すると涼太は、私を横抱きで軽々抱え上げ、ベッドに下ろした。
私は、涼太に組み敷かれてしまった。
目の前に、涼太の真剣な顔と天井がある。
「涼太。」
「美空っち。いい?」
私は震える手で、涼太に抱きついた。