• テキストサイズ

~ファインダーの向こう側~【黒子のバスケ☆黄瀬】

第12章 嫉妬。そして…


[涼太]


知ってる。

あの二人は、そんな仲じゃないって。

アイツには、彼女がいるって聞いてる。




でも




苦しい。



美空っちは、俺のものじゃない。

俺のものなら、「俺のっ!」って、アイツから奪えるのに。

俺のものなら、こんなに苦しい気持ち、美空っちを抱き締めて、忘れられるのに。



彼女は、俺のじゃない。



気がついたら、練習で使ってる体育館まで走ってきていた。


俺は、片付け忘れたバスケットボールを見つけて、手に取る。

シーーンとした電気がついていない体育館。

俺は、ドリブルをする。




「こんな苦しい片想いをするなんて、聞いてないっス…」


長くなった前髪が、俺の目を隠す。


なに、やってんだろう。


俺は、こんな自分の姿が滑稽に見えて、笑ってしまう。

そして、笑った後、ボールを思いっきり壁に投げつけた。


「黄瀬くんっ!」




顔をあげる。





「美空…っち?」




体育館の入り口に、息を切らした美空っちが立っていた。


/ 191ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp