• テキストサイズ

~ファインダーの向こう側~【黒子のバスケ☆黄瀬】

第12章 嫉妬。そして…


[美空]


黄瀬くんを見つけた。

体育館で大きな音がして、中を見たら、いた。


「…黄瀬くん。」


私は、体育館の中に入った。
少しだけ、縮まる距離。

すると、黄瀬くんは私を見ないで、静かな声で呟いた。


「…ねぇ。美空っち。…なんで、俺のとこ、一番にきてくれないっスか…?」



こんな黄瀬くんをはじめてみる。
肩が震えている。
怒ってる?




「黄瀬くん…。」




私は、一歩、彼に近づく。





「っ…なんで、いつまでも…っ…俺のこと君付けするんスか?!」


言葉を荒げる黄瀬くんに、ビクッと身体が驚く。

それでも、逃げたくない。

私は、また一歩、彼に近づく。


後、一歩で、君の前に着く。


「分かってるっ!片想いだって。俺だけが美空っちを好きだって!…でも…なんか…もう…辛いっス。」



あ、ダメだ。




「…涼太。」




私は、口にしてしまった。




「…美空…っち?」




君の目が、私を捉える。



「…もうダメ。」



また一歩、君に近づく。

ほら、君の目の前。



「え?」


驚いて私を見る、涼太。


「私は、涼太が好きです。」


心から溢れだした言葉。

ずっと封印していた、この言葉が、一筋の涙と一緒に零れた。


/ 191ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp