第12章 嫉妬。そして…
[涼太]
練習中、新聞部の胡桃サンが倒れて、一時練習がストップした。
広瀬センパイが、体育館から胡桃サンを運んでいって、しばらくして、心配要らないと、報告しにきた。
俺は、そんな事件よりも、練習に没頭していた。
IHで優勝する。
俺は、美空っちと約束したことを思い出して、がむしゃらに練習していた。
練習が終わって、宿に戻る。
みんなは、シャワーを浴びたり、部屋でゆっくりしたり。
夕飯まで、自由時間を思い思いに過ごしている。
俺も、シャワーを浴びて、湯冷ましに宿の外を歩いていた。
夕方になり、風が出てきた。
そろそろ夕飯だと、宿に引き返したところで、よく知った後ろ姿をロビーで見つけた。
『美空っち?!』
ロビーのソファに座り、広瀬センパイと何か話している。
俺は、話しかけようと近づくと、美空っちはすごく真剣な顔で、広瀬センパイと話していた。
『……っ!何で!!』
俺は辛くなって、外へ飛び出した。