• テキストサイズ

~ファインダーの向こう側~【黒子のバスケ☆黄瀬】

第1章 派手な後輩


「あー……っと。つまり、卯月サンが撮った写真をこの人が欲しいってことっスか?」


自分の頭を軽く触りながら、そう答えると、


「そうなの。迷惑なお願いだって分かってるけど、いいかしら?」


知らないところで、隠し撮りなんかをされている自分としては、断りをいれられるのも初めてで、


「分かったっス。どーぞ、お好きに。でも、転売とかは止めて欲しいっス。」

「良かった、ありがとう。」


そう卯月サンは笑って答えた。
そして、横で両手を組み祈って見守っていた隣の女子の背中を叩いた。


「良かったね、杏奈。ちゃんとお礼言ってよね。」

「あ、ありがとう!黄瀬くん!…あたし宝物にするからね!!」


勢いよく俺にお礼を言うと、卯月サンを置いて購買から走っていってしまった。



「あー…もう。…ごめんなさい、モデルの君にこんなお願いして。」


卯月サンは俺の顔を見ないで、謝った。


「いいんスよ。俺、撮られ慣れてるっスから。」

「…モデルを本気でやりたいなら、タダの仕事は注意しなよ。」


そう言って、逃げていった女子の後を追いかけて行ってしまった。



“モデルの仕事を本気でやるなら”…か…



言われた意味を考えて、ゆっくり購買を後にした。
/ 191ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp