第1章 派手な後輩
「ん?えっと、なんか用っスか?」
「初めまして。私、杏奈です。こっちは美空。私達三年生です。」
「?ん?」
よく話が読めず、頭に?ハテナが浮かぶ。
「あの、写真をください。」
「え?しゃ、写真っスか??」
もっと会話が分からなくなって、困っていると、その女子の横にいた子が、ため息をついて説明してくれた。
「私、学校で宣材写真を撮ってる、卯月美空です。今日、学校の部活動へ撮影しにいくんですが、貴方の写真を一部この子にあげてもいいですか?」
よく見ると、緩く巻いた髪をポニーテールにして、口元に小さなほくろ。可愛いというか綺麗というか…
プロのモデルとか女優さんとかを生で見たことはあるけど、素人さんに眼を奪われるのは初めてで、ボケーっとしてしまった。
「…あの?話分かりました?」
卯月と名乗った女子が怪訝そうに見上げていて、俺は戸惑った。