• テキストサイズ

~ファインダーの向こう側~【黒子のバスケ☆黄瀬】

第11章 夏だ!合宿っ!!


「そーっスね。まぁ、ボチボチっス。」

「……卯月がいなくて、残念?」


俺は、目を見開き広瀬センパイを見上げる。
そして、見下ろされているのが、癪で立ち上がった。


「あんたには、関係者ないっスよ。」


俺は、広瀬センパイを睨んだ。

いつも美空っちの近くにいる、新聞部部長、広瀬センパイ。
美空っちの近くにいるのは、すっげーヤだけど、こいつの記事は、素直に凄い。
読者を惹き付ける文才。
美空っちとの写真と相まって、うちの新聞部は、他校を圧倒する。
だから、悔しいが、センパイと呼んでいるが…。


「おいおい、俺悪くないんだぜ?
卯月が言い出したことなんだから。」

「美空っちが?」


弾かれるように見ると、広瀬センパイは、苦笑しながら、体育館に入ってくる風を感じて、目を細めていた。


「卯月が、新人の胡桃ちゃんじゃ、遠くて動く被写体を撮らなきゃいけない、野外スポーツは撮影難しいって、判断したんだ。」

「……。」

「だから、アイツはお留守番。
今ごろ、学校のグランドで、野球小僧、撮ってるよ。
この夏は、甲子園と千葉国際総合水泳場の二本立て。
でも大丈夫。君たちは、うちの胡桃ちゃんがしっかり撮るから、安心して。」


広瀬センパイは、明らかになにか察してて、笑いながら俺の肩を叩いた。


「そんなんじゃ…ないっス……。」



美空っちの、撮影に対する真摯な姿勢を知っている



分かってるけど



今、この場で



俺だけを撮ってほしい。



「美空っち。」


俺は、一言呟いて、練習に戻った。


/ 191ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp