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~ファインダーの向こう側~【黒子のバスケ☆黄瀬】

第10章 新しいカメラマン


[美空]


「美空センパイ…私、怖いです。失敗したりしたらっ…。」


胡桃ちゃんの手が震えている。

今日は、バスケ部のIH予選決勝リーグ。
胡桃ちゃんは、今日初めて試合を撮影する。


「初めては、誰でも緊張するし、怖いよな。」


広瀬は、胡桃ちゃんを元気つけようと、笑い掛けた。


「大丈夫。たっくさん練習したんだから。もし失敗しても、私も撮影してる。安心して。」


私も、胡桃ちゃん肩を叩いて、元気付けて、総合体育館へ入った。





黄瀬くんを途中で交代させ、決勝は終わった。
海常高校は、IH進出を決めた。


「胡桃ちゃん、今から学校に戻って、写真の編集をするよ。」

「はい。美空センパイ。」

「俺は、明日部室に顔出すよ。気を付けて戻れよ。」


広瀬と別れて、胡桃ちゃんと二人で体育館を出る。


「美空センパイ!うちのバスケ部って、とっても凄いんですね!
黄瀬くんも凄く強くて。でも、途中交代しちゃったのは残念でした。
あんなに大差があれば、黄瀬くんがいなくても、大丈夫だったんでしょうけど。」


胡桃ちゃんの話を耳半分で聞きながら、私は他のことを考えていた。


『黄瀬くん、大丈夫かな…』


私は、黄瀬くんの足が心配だった。

途中交代したのは、海常の勝利は確実だったのもある。
だけど、黄瀬くんは明らかに足を故障してる。

私は、胡桃ちゃんに気づかれないように、息を吐いた。

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