第10章 新しいカメラマン
[涼太]
中間テストをギリギリでクリアして、今日から部活動開始。
俺はバッシュを履いて、体育館に一番乗りした。
体育館のモップ掛けを、速攻で終わらせて、ボールを持ってくる。
久しぶりに体育館でドリブルする。
ダムッ ダムッ ダムッ
誰もいない体育館で、ダッシュでドリブルをし、一気にダンクをする。
ゴールから手を放し、着地する。
美空っちとは、あれから会ってない。
テスト期間ってことを言い訳にして、3年生の教室にも行かなかった。
行けなかった。
俺は、ダンクして転がったボールを拾って、ため息をついた。
部活が始まって、しばらくすると、美空っちと広瀬センパイ、そして、知らない女子が一緒に体育館へ入ってきた。
俺は、三人を目で追って観察する。
『…美空っち…。』