第8章 祝勝会!!
[美空]
試合が終わり、私はまだ館内にいる広瀬を、体育館前で待っていた。
これから広瀬と広瀬の彼女と3人で夕飯を食べようってことになっていた。
でも。
うん。
確実に私、お邪魔ムシ…。
やっぱり、ご飯を断って帰ろうとしたところに、選手出口から、海常高校のジャージが出てきた。
「おい、卯月じゃね?!まさか俺のことを待っていて!!!」
森山くんがボケたことを抜かしてくるので、笑いながら手を振った。
「取材しにきたのか?」
「そうだよ。試合、お疲れさまでした。凄かったよ。いい写真撮らせてもらいました!」
笠松くん逹もやってきて、あっという間にバスケ部に囲まれた。
でも、いつも一緒の黄瀬くんの姿が見えない。
だが、すぐに見つける。
すぐ向こうに女子に囲まれた黄瀬くんが、困った顔をして対応していた。
「誰か待ってるの?」
小堀くんの声で我に返り、私は携帯を取り出して時間をみる。
「うん、広瀬を待ってるの。これから広瀬の彼女と3人でご飯しようってことになってるんだけど…。やっぱ邪魔だから、帰ろうって思ってたとこなの。」
肩からケースがずれ落ちそうになり、しょい直す。
「じゃあ、俺たちとご飯しね?祝勝会しようって言ってたとこだし。」
森山くんが、ニコニコ提案してきた。
「でも、それも私、邪魔でしょ?バスケ部じゃないし。」
「いいんじゃないか?一人増えたとこで、あんま変わんねーし。
夜一人にさせるのも、心配だしな。」
笠松くんもその案に乗ってきた。
「じゃ、決まり。卯月、広瀬に連絡入れろよ。」
小堀くんも、笑顔で同意して、私の肩を叩く。
「え?え?それ決まり??」
戸惑うが、確かに広瀬逹の邪魔をするよりも、こっちの方がいいような気がして、私は、SNSで広瀬に連絡した。
美空《ご飯、やっぱりパス。久しぶりのデート楽しめよ。》
そして、携帯をしまうと、バスケ部のみんなと一緒に歩き出した。