第8章 祝勝会!!
[涼太]
なんとか女の子達をまいて、俺は、センパイ逹が待っている、お好み屋の前にきた。
カラカラカラ
乾いた音で扉を開けると、センパイ逹の後ろ姿が見えた。
「センパイっ!ひどいじゃないっスかぁー、俺を一人にするなんて。」
センパイ逹に、むくれた顔で近づくと、笠松センパイの隣に座っている、美空っちを見つけた。
「美空っちも、助けてくれたって、よくないっスかぁ?」
美空っちと笠松センパイの間に座ろうとして、俺は笠松センパイに、二の腕をバシバシ叩かれる。
「お前っ、遅れて来といて、センパイ退かすってどんな身分だ!!」
「いたっ!痛いっス!!」
「あ、私どくよ?」
美空っちが退こうと席を立つ。
「何退こうとしてるんスか?
いいんスよ、美空っちはここで食べててください。」
そういって、すっごく不本意ながら、美空っちの斜め向かいの、森山センパイの隣に座った。
「お前、なに不服そうな顔してんだ。」
森山センパイがジンジャーエールを飲みながら、横目でじとっと睨んできた。
「不服そうじゃなくて、不服なんス。」
「…あの時。あの時パーを出していれば…。」
どうやらこの席順は、じゃんけんで決まったものらしい。
「黄瀬くんも何か頼みな。メニューある?」
美空っちが自分の近くにあったメニューを渡してくれた。
「んじゃー…すんませーーん!」
適当に注文を済ま、センパイ逹をみると、豚玉・海鮮玉など、4種類ほど焼かれていた。
そこに俺が頼んだ、レモンスカッシュが来た。
それを確認して、笠松センパイがグラスをとって立ち上がる。
「それじゃあ、黄瀬も揃ったことだし。
予選もここからが正念場だ!しっかり勝つぞ!乾杯っ!」
「「「「乾杯っ!」」」」
皆でグラスを合わせて乾杯をする。
俺は腕を伸ばして、美空っちとも、グラスを鳴らした。