第37章 ☆海常高校文化祭☆
「そこで、プールってのは音響設備があるって知ってる?」
「は?」
「こっからも放送出来る設備あんのよ。ほれ。」
そういって親指で示したのは、プールサイドの教官室。
「あそこでさ、黄瀬くん呼び出したら?…お前のことだから、ここを飛び出して黄瀬を迎えにいくなんて、部の責任放棄するみたいでヤダとか思ってるんだろ?
……本当は、行ってこいって送り出してーけど、お前聞かなそうだし。それに、いいんじゃね。それぐらいの我が儘。」
苦笑しながら私を見る広瀬に、私は若干驚く。
「……なんか、広瀬に見透かされてて、少しヒク。」
「ヒドッ!」
そんなじゃれあいの会話の後、私たちは笑いプールの放送施設へ足を向けたのだった。