第36章 ☆誠凛高校学園祭☆
ボールは黄瀬が持っていた。
黄瀬は、迫力を放ち、火神と対峙していた。
迫力ある2人の対峙に、ギャラリーが増える。
黄色い悲鳴も大きくなったところで、黒子が黄瀬に近づいた。
「卯月さんがあそこに…」
「っえ?!」
「隙アリッ!」
「黒子っちっ?!」
黄瀬の一瞬の隙を黒子がボールを裁き、ボールが火神に移る。
「っしゃーー!!任せとけっ
!!!」
そして火神はその勢いのまま、ゴールにシュートをぶちかまそうとしたところで、夏の間練習した左手から、ボールがこぼれた。
そして、勢いよくボールが日向に向かって飛んで行き、日向の股間に命中した。
「っ~~~~ーーーー!!」
『『『『『『『『『『アレはイタイ………』』』』』』』』』』
コート内のプレーヤーだけでなく、その瞬間を見た男性全員が、日向に憐れみの目を向けた。
「ちょっ、日向くん!大丈夫っ?!」
リコが慌てて日向に駆け寄るが、日向は台の上で蹲り、火神を思いっきり睨んで、地べたを這いずるような低温ボイスを響かせた。
「火神……コロス……。」
まるで呪いの言葉を残して、コートから出ていった。
そして、ゴールは伊月に代わることになった。