第36章 ☆誠凛高校学園祭☆
「たっのしいなぁ、日向。」
木吉は、ゴールの台に登っている日向を仰ぎ見て、笑顔になった。
「だぁーほ。こっち見んな。3on3なんだ。全力で行けよ。」
「あぁ。楽しんでこうぜ。」
試合が始まって、ボールは笠松へ渡った。
いつもの様にボールをドリブルすると、背後から黒子がボールをカットした。
「クソっ!透明少年っ!!」
「火神くん!」
ボールを火神にパスすると、火神をマークしていた黄瀬が素早く反応して、そのパスをカットする。
「いただきっスっ!!」
そのまま、ドリブルしてドライブすると、ゴール前で木吉が待ち構えていた。
「そうはさせないっ!!」
黄瀬をブロックしようとしたところで、黄瀬はフワッとボールを上げ、早川がそのボールをキャッチする。
ピーーーーーーーッ
1対0
二回戦。
ボールは、木吉が持っていた。
ドリブルをして、黒子、火神とパスが高速で通っていく。
そこに森山がパスカット、そのボールを、早川へ送る。
しかし、いつものゴールと高さが違うせいで、ボールは、コートの向こうに飛んで行った。
そしてそのボールは、コートの向こうで試合を見ていた一般客の女の子がキャッチした。
「…運命……可愛い。俺はあの子にあのボールを捧げる…。」
「バカ言ってんじゃねぇ!!早く試合続行すっぞ!森山っ!!」
試合は海常優勢で進んでおり、この現状に火神が青筋を浮かべて、イライラしていた。
「黒子っ!回せっ!」
「嫌です。今火神くんに回しても、黄瀬くんにカットされるだけです。…僕のミスディレクションもそろそろ時間切れが迫っています。決めますよ…。」
そういうと、黒子の見えないパスが通り、木吉がそのパスを活かして、日向が待つゴールへシュートした。
ピーーーーーーーッ
1対1
その後すぐ、笠松のパスが森山に通り、シュートの距離を調整したシュートが放たれ、早川がそのシュートをキャッチした。
ピーーーーーーーッ
2対1