• テキストサイズ

~ファインダーの向こう側~【黒子のバスケ☆黄瀬】

第36章 ☆誠凛高校学園祭☆


「もしもし。」

『黒子っち!今、正門前にいるんスけど、ドコにいるんスか?』

「……。」


僕は、一息ついて、黄瀬くんの回りに集まる女子達の間をすり抜け、誰にも悟られず、黄瀬くんの目の前に立った。


「ここです。」

「『へ』」


僕を捉えた黄瀬くんは、目を見開き、携帯を持ったまま大声で叫んだ。



「『うわあぁっ!!!』」

「…黄瀬くん、うるさいです。」



僕は携帯の通話を切り、黄瀬くんを見上げる。



「く、黒子っち。相変わらず、影薄いっスね。」

「相変わらずは余計です。」

「もーー!黒子っちは相変わらず、ツレナイッスねー。
っと、センパイッ!黒子っちが迎えに来てくれたみたいッス!」



黄瀬くんは、いつものシャラい笑顔を振り撒き、携帯を仕舞い、手を振って海常メンバーたちを呼んだ。




「お、透明少年。」

「お久しぶりです。笠松さん。」


笠松さんが、森山さんと早川さんの首根っこをひっ掴み、その後ろを、小堀さんが笑いながら着いてきた。


「でっ!!おい、黄瀬ぇっ!お前はナニしてんだよっ!!!」

「スンマッセン!」


僕たちが挨拶している間も、女子に囲まれる黄瀬くんに、ガシガシと笠松さんの蹴りが炸裂した。

痛そうに、腰を擦りがなら僕らの輪に入ってきた黄瀬くんを見て、ちょっとした悪戯心が湧く。



「…ヒドくないッスか?ただ、女の子がオレに寄ってきただけなのに…。」

「……卯月さんが、いなくて良かったですね。」

「?!…く、黒子っち?そんな!?これ浮気とかじゃないじゃないッスよ?!」

「浮気だなんて、僕は言ってません。」

「黒子っち~…。」



この前会った、綺麗でハツラツとした雰囲気の卯月さんを思い出して、クスッと笑った。


/ 191ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp