第36章 ☆誠凛高校学園祭☆
[黒子]
次の週。
誠凛高校。
秋空の下、誠凛高校学園祭と、バルーンで飾られた校門。
そして、野外出店の飲食店が魅力的な匂いを放ち、入場者を出迎えていた。
しかし
「まぶい……。あの子、超カワイイ。オレ、今日あの子についてく…。」
「ナニッ、あぶねーこと言ってんだっ!!森山っ!」
誠凛テニス部の女子に、目を奪われ、ターゲットを決めた
海常高校3年、シューティングガード:森山由孝。
「や(り)ますよォーーー!!オ(レ)、がんば(り)ますっ!!」
「早川!お前、ナニ言ってんだか、分っかんねーよっ!!」
鼻息荒く、青空に向かって握りこぶしを突き上げる
海常高校2年、パワーフォワード:早川光洋。
「おい、最初はどこ行くんだ?」
「小堀もコイツら束ねんの、手伝えよっ!!」
騒がしいツレ達を後目に、一人、学園祭のしおりに目を通す
海常高校3年、センター:小堀浩志。
「ってか、黄瀬はドコいった?!」
どいつもこいつも、好き勝手に動き回るのを、激怒しながら取り押さえる
海常高校3年キャプテン、ポイントガード:笠松幸男。
「センパイッ、ここっス。なーんか、囲まれちゃって…。あはは。」
目を離した隙に、様々な年代の女子達に囲まれ、シャラい雰囲気を醸し出す
海常高校1年エース、スモールフォワード:黄瀬涼太。
高校男子バスケ部の強豪、海常高校のスタメンが勢揃い。
知る人が見れば、このメンバーがいるだけで、テンションが上がるはずなのだが……
残念な有り様のメンバー。
「………。」
さっきからずっと、彼らを観察していたが、気がつかれないのは、いつものこと。
だけど、これだけ残念なライバルの様子に、自分の気持ちが著しく下がるのを感じる。
気づかれる前に、見なかったことにして、人混みに紛れてしまおうとしたところで、自分の携帯が鳴っていることに気がついた。