第34章 お見舞いの花束を…
「私、余計なことしちゃったんです。広瀬センパイにも、心配させんなって、怒られちゃいましたし…。」
決まり悪そうに、眉を下げる胡桃ちゃんに、私は手を握った。
「…危ないことはしてほしくなかったけど、でも…嬉しかった。本当にありがとう。」
「…美空センパイ…。」
2人で微笑み合っていると、
ゴホンッ!
「なんで、俺の前でイチャつくんスか!?」
胡桃ちゃんと、キョトンとして、笑った。
「…私、美空センパイのこと、だーい好きですから、黄瀬くんがよそ見してる内に、とっちゃいますからね。」
「胡桃ちゃん、可愛くて頼りになるから、胡桃ちゃんにしようかな?」
「ヒドッ!!」
その後、涼太は私と胡桃ちゃんの間に割り入って、ワーワーと騒ぎ出した。
「お静かに!!ここは病院ですよ!!」
看護師さんが、病室に入ってきて、私たちは思いっきり怒られたのだった。
看護師さんが、病室から出ていくと、3人でクスクス笑う。
「そういえば、黄瀬くん。私のこと、胡桃っちって??」
胡桃ちゃんが、不思議そうにしている。
「私を守ってくれて、怪我までして。涼太は感動したらしいの。」
「そーーっス。俺、尊敬してる人は、っちって呼ぶんス。」
何故か威張っている涼太を見て、胡桃ちゃんは笑っていた。
「美空センパイは、呼び捨てなんですね~♪」
「そりゃ、美空は俺の特別っスから。」
「ちょ、ちょっと2人ともっ…。もーー、私お花生けてくる。」
なんか恥ずかしくなって、私はお花と花瓶をもって、病室を出た。