第33章 コートとファインダーの距離
[美空]
= 翌日 =
私は、涼太に呼び出されて体育館へやって来た。
今日は土曜日。
時間を涼太は言っていなかったので、朝7時に着くよう家を出た。
朝の空気を感じて、目を閉じる。
これから、涼太に会う。
『昨日の電話の感じだと、別れ話かな?』
…自分からそう仕向けたのに、実際に別れにいくっていうのは、心寂しい。
校門を入って、体育館に着いた。
体育館の扉は開いていて、私は、そっと中を覗く。
でも、誰もいない。
私は、早く来すぎたと思って、いつもの2階席に行こうと視線を上に上げて固まった。