第25章 お泊まり決定
「あ、ありがとうっス。」
俺は、悟られないようにぎこちない笑みを浮かべ、カップを取った。
完全に勃起してしまった自身を、どう鎮めるか考えて、難しいことを考えようってことで、何故か、九九を頭の中で唱え始める。
「…………涼太、どうしたの?眠い?」
黙って紅茶を飲んでいた俺を、眠いと勘違いしたのか、美空が心配した顔をしている。
「あ、いやっ。そんなんじゃないっスよっ!!」
まさか、勃起してて鎮める為に、九九を唱えてたなんて言えなくて、慌てて両手を振った。
「そう?……随分遅くなっちゃったけど、涼太のご家族、心配してるかな?」
時計を見ると、9時を回っている。
「いや、この時間なら、いつも練習してる時間と変わんないっス。」
「そう?なら、いいけど…。」
美空は、安心したのか少し笑って、紅茶を飲む。
そのしぐさも綺麗で、口許のほくろもやっぱりエロくて…。
気がついたら、美空の手を取っていた。
「今日、泊まってもいいっスか?」
すると、美空が顔を真っ赤にした。
そして、握った手を握り返してくれた。
「…私も…もうちょっと、一緒にいたかったから……泊まってくれると、嬉しい。」
頬を染めて、そう言ってくれた。