第25章 お泊まり決定
[涼太]
「ふぅーー、ご馳走さまでしたっ。」
「お粗末様でした。」
美空は、食べ終わったお皿をお盆に乗せ、カウンターキッチンへ置きにいって、お茶を淹れてくれる。
俺は、お茶を淹れている美空を、ダイニングテーブルに肘をつき、見つめていた。
すると、視線に気がついたのか、美空がこっちを見る。
「ん?なにか用?コーヒーがいい?」
小首を傾げる美空に、トクンと心臓が跳ねる。
「んーん、お茶でいいッス。」
「?そう?」
不思議そうな顔をして、ポットに紅茶のリーフを入れ、お湯を注いでいる。
途中、美空が後れ毛を耳に掛けた。
そのしぐさが本当に綺麗で、俺は、顔が赤くなるのを感じた。
…さっき、あの唇が俺のを包んで、それで、俺のを飲んで……
艶っぽく濡れた唇
鼻に掛かるくぐもった声
眉を寄せて、苦しそうに頬張ってた顔
『あ、ヤバい…思い出したら、元気になっちゃったっス。』
俺は、少し前屈みに椅子に腰かけていると、美空がダイニングに戻ってきた。
カップを置いて、紅茶を注ぐ。
「お待たせ。どーぞ。」
そう言って、美空は俺の向かいに腰を下ろした。