第3章 第一歩ー虹の実
「小松!」
「あ、トリコさーん!!」
ー美食屋トリコだ!!
さっき口論してたおじさんが驚いた。
「お兄さん、トリコの知り合いなの!?うわぁぁあ!!」
あぁ、行っちゃた。
ドン、とシャクレノドンを下におろす。
「こいつを捕獲したんでおろしに来たんだ」
パンパン、とシャクレノドンをたたく。
「うわ!シャクレノドンじゃん!
脚竜獣類、捕獲レベル4!
そんでもって、カリスマ美食屋トリコ!
なんててんこ盛りなおいしいニュース!」
「あんたがトリコね?あたしはティナ!」
「ん?」
「くるっぽ!!」
「これ、伝書風船鳩のクルッポ!」
「クーポ!!」
「トリコと会えるなんて、
大盛り、いいや特盛りハッピー!」
「あたし、グルメTVで世界のあらゆる食材を紹介する
グルメキャスターなの!
ね、トリコ、番組で取材さして!」
「勝手な取材は困りますね」
「あ、ちょ何よー!」
あのクルッポっていうはともなんか怒ってる…
「IGO!?」
「いかにも、IGO開発局食品開発部長のヨハネスですが」
「撤収だ、ティナ」
「なんで!?」
「国際機関IGO。やつらが相手じ取材は無理だ!!」
「え、トリコがいんのに!」
腕を掴まれる。
「あ、ちょ離してよー!!」
あぁあ。
「すぉ、そこまでしなくても…」
「マスコミに聞かれては、まずい話なのです。」
『あ、やっぱり。ヨハネスー』
「おや、蒼りゅ『その名で呼ばないでください』
すみません、蒼音さん。
それとトリコさん、会えてよかった。」
まったく。なんでその名で呼ぶかな。
「ちょうど、頼みたい食材がありまして」
『それで私が呼ばれたってわけ?』
「えぇ」
「あぁ?IGOなら専属の美食屋がいっぱいいるだろ。
なにも俺じゃなくても…」
『そうだよ。』
「…虹の実が実りました。」
「なに?」
「に、虹の実ぃい?
気温や湿度によって
七色に味を変えるという幻の実ですか?」
「声がでかいっ!!誰かに聞かれたらどうするっ!!」
「そりゃ大声にもなりますよ!25Mのプールに
虹の実の果汁をほんの1滴入れただけで
プールの水すべてが濃厚で、芳醇なジュースになる
といわれるほど果汁濃度の濃い実だと…!」