第21章 第二部 再会
「それから…あのMr.スネイプが教鞭をとるなんて、想像もしてなかったわ」
「そうだね…」
「教師の採用には当然ダンブルドア校長が関わっているはずだもの。彼は…違う、ということなのかしら」
「そうじゃなかったら、ホグワーツには来れないと思うの…」
二人の会話がキラの苦い思い出を呼び起こす。
セブルス·スネイプ、その人が死喰い人を目指していたという事実を。
そして死喰い人ーー闇の陣営の活動は二年前よりもさらに苛烈を極めていた。
しかし今、彼はホグワーツに戻ってきた。
これが意味することは。
「セブルスは…死喰い人にならなかった……?」
「わからないわ。もしかしたら…万が一、ほとんど有り得ないと思うけれど。ダンブルドア校長が騙されている可能性もないとは言い切れないわ。…そんなこと、ないと思うけれど」
「……」
ダンブルドアが最高の魔法使いだということも、闇の陣営が一筋縄にはいかないことも分かっているつもりだ。
ぎゅっと握りしめたキラの拳をアニーは優しく包み込む。
「ホグワーツに戻ってきたのだから…きっと、大丈夫よ…」
「…うん、そうだね」
陰鬱な空気が流れる中、パンパン!とキャリーが手を打った。
「とにかく! 早速明日から魔法薬学の授業があるわ。元·あなたの先生は相当厳しいんじゃなくて?」
「う、うん」
「だったら! 予習をして今日はさっさと休みましょう。寝不足はお肌の大敵よ」
キャリーに頬をつつかれて、ようやくキラは小さく微笑んだ。