第4章 近づく距離
(どうしたんだろう?)
何かいけないことでも言っただろうか。
キラは首をかしげながら、自身も朝食のためにと城へと戻るのであった。
大広間に行くと、すでにキャリーとアニーがテーブルについていた。
「キラ!こっちよ!」
「どこに行ってたの…?」
「ちょっと様子を見に、温室にね」
「昨日の今日でしょう? そんなにすぐに芽が出るものなの?」
「いや、ちょっと他の花が気になって」
ふんわりしたスクランブルエッグを皿に取りながら、キラは今日の授業を確認する。
「あー、朝から変身術かぁ」
「その後は魔法薬学よ。寮監のスラグホーン教授の授業だから気合いが入るわね」
「加点してもらわなくちゃ…」
アニーがため息をつく。
ホグワーツには寮別対抗杯というものがあり、クィディッチという全校を挙げてのスポーツ大会のトーナメントや生徒の態度によって加点、減点される。
大広間にその点数が分かる砂時計がある。
授業が始まって二日経ったが、キラたちはまだ一度も点を貰っていなかった。
合同授業で一緒になったレイブンクローはすでに30点ほど加点されていたので、悔しい気持ちがあったのだ。