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【HP】月下美人

第11章 Dの道


(確かに、もう卒業まで一年と少ししかない…)
 7年生になったら、NEWT試験のための勉強時間が増えるだろう。
 そうなればきっとあっという間にホグワーツを卒業するときがやってくる。
(進路、か…)
 自分は死喰い人になるのだ。
 死喰い人になるには死喰い人からの誘いを受けるか、死喰い人に自分を売り込む他ないが、セブルスの道はこのスリザリンの寮生に選ばれ、当時監督生だったルシウス・マルフォイが目をかけてくれたときに決まった。

 
 ルシウスによって闇の帝王へはすでに自分のことは伝わっている。
 近い内にルシウスから手紙が届くだろう。
 それは今後のために、セブルスが何をすべきかという指標のようなもののはずだ。
 後もう少しで、手が届く。
 他を圧倒する力を持つ魔法使いになって、自分を馬鹿にしてきた奴らを見返してやる。
 そうすればきっとリリーはこちらを向いてくれる。
(認めざるを得ないはずだ…)
 セブルスはチラ、とグリフィンドールのテーブルを見やった。
 すると、傷だらけの青白い顔でこちらを伺う目がセブルスを見つめていた。
 交差する視線にリーマスは大慌てで下を向く。
(……)
 セブルスは眉間に皺を寄せながら、ローストポテトにぐさりとフォークを突き刺した。
 隣でぶつぶつとダモクレスが何やら呟いているが、不思議と耳に入ってこなかった。

 





 翌週の中ごろ。
 いつもと同じようにキラたちは朝食を取るため大広間へと足を運んだ。

「あら、今日のスープはえんどう豆とハムなのね」
「…味噌汁飲みたい」
「miso…なんですって?」
「misosoup。日本食の代表だよ。白いご飯と味噌汁があればなぁ…」
「それって、美味しいの…?」
「美味しいよ! 食べさせてあげたいくらい!」
 正直なところ、イギリスの料理はあんまり美味しくない。
 というか味付けが基本的にはなくて、自分で調味料をあれこれ振り掛けるパターンが多い。
 オムライスやカレーライスは洋食だと思っていたが、あれも和食のようで、こちらに来てからは一度も食べていない。
 キャリーもアニーも、何それ?美味しいの?と言った具合だった。
 とはいえ、出汁の旨みに敵うものはないとキラは思っている。
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