第8章 もしも一人っ子だったら
「よ~い……ドン!!」
日向先生の合図で皆が一斉に走る。
かけっこはあっという間に終わってしまった。
「テツヤくん。よく頑張りました」
「5等ですけどね…」
「あの4人に勝てるはずなどないがな」
「征くん!!」
征くんの一言で更にテツヤくんは落ち込んでしまった。
「次は借り物競走だから、一等賞取れるように頑張ってね!!」
私は出来るだけの事をし、テツヤくんを励ました。
「よ~い…ドン!!」
先程のメンバーで借り物競走が始まった。
カードを取るのは最後だったテツヤくんはこちらに向かってきた。
「どうしたの?」
テツヤくんは無言のまま征くんにカードを渡すと征くんは妖しげな笑みを浮かべテツヤくんと走っていった。
「負けないっスよ~」
テツヤくんの後ろからは黄瀬くんが追い掛けてくる。
すると、征くんがテツヤくんを抱き上げゴールしてしまった。
日向先生や火神先生は征くんに対して何も言わず一等の場所に連れていった。