第13章 誕生日
【黛】
「……で、なんでオレが呼ばれる?」
「良いじゃないですか?子供たちは黛さんに会いたがってましたし」
オレは赤司の5つ子たちに埋もれ掛かっていた。
「黛っち~!」
「バスケしよーぜ!」
オレの服を引っ張るのは涼太と大輝。
「断る」
「「なんで~!!」」
「こんな姿でできるかよ」
オレが言うこんな姿とは雪だるま。
「なんでっスか~?」
「お前らの父親とやれよ」
「オレは今から出掛けるので…」
「アンタ、オレにあの時のお礼がしたいって言ってただろ?」
だから渋々来たのに…
5つ子のお守りがお礼とか言うんじゃねーよな?
「それは……」
「それは帰ってから必ず」
赤司は自分の嫁の腰に手を回し引き寄せるとそのままエスコートしながら出て行ってしまった。
残されたのは雪だるまのオレとうるさいトナカイの長男と三男、サンタの次男四男とオレと同じ雪だるまの影の薄い五男だった。
赤司は嫁を連れて食事に出かけたんだとよ。
「ジングルベルベル♪ジングルベルベル~」
それからオレは長男の歌詞の合ってないクリスマスソングを散々聞かされた。