第8章 もしも一人っ子だったら
【赤司】
「お先に失礼します」
「お疲れさん」
今日は午前中で仕事は終わり。
なぜなら午後からは大事な用事があるからだ。
そう、大・事・な
「涼太のやつ…帰ったら…」
コピーされた一枚の紙。
保育参観のお知らせと書かれている。
桃井さつきの母親から聞き、コピーをもらった。
「征くん!!」
「行こうか」
「うん」
まだまだ涼太には教育が足りない。
美奈子が甘やかすからとも言いたいが、美奈子だけには逆らえない。
「涼太君驚くかな?」
「忘れてるだろうから、驚くだろうね。俺もいるからね」
賑わい始めている幼稚園には園児たちの母親たちがすでにたくさん来ていた。
さあ、涼太…俺にどう反応するのかな?