第8章 もしも一人っ子だったら
涼太君目線
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「ママ~」
なんでいつもママは幼稚園に来ないんっスか~
「うるせー」
「青峰っち~!!青峰っちは寂しく無いんスか?」
「別に…てめぇと一緒にすんな」
絶対嘘っスね。
ママと離れて寂しく無い人はいないってパパも言ってたっス!!
「おはようございます」
「黒子っち!!おはよっス!!」
「涼太君はいつも元気ですね…」
「さっきまでウザいほど泣いてたのだよ…」
「そうそう…うるさかった~」
みんな言いたい放題っスね…
「テツ君!!おはよう」
桃っちは相変わらず黒子っちの隣なんスね。
「みんな!!今日はお弁当の後からみんなのお父さんとお母さんが来てくれるわよ!!」
「えー!!本当っスか!?」
「本当よ。みんなと一緒に工作をします!!」
園長先生が俺たちに見本を見せた。
「工作かよ…めんどくせ~」
「オレも~」
「テツ君のお母さん来るの?」
「はい」
「大変!!キレイにしなきゃ!!」
「緑間君もお母さん来ますか?」
「当たり前なのだよ…」
みんな来るんスね~
俺もママが…
「あ…」
ゴソゴソ…
あることに思いだし、カバンを探るとくしゃくしゃになった一枚の紙が。
「涼ちん、なにそれ~」
「それ今日の保育参観の紙じゃね?」
「涼太君の所は来ないんですか?」
「ど、どうしよう…」
渡すの忘れたっス!!
俺だけ来なかったら…
俺ピンチ!!