第8章 もしも一人っ子だったら
涼太君編
「イヤっス~!!行きたくな~い」
「涼太君…バス来ちゃうよ」
「イヤっス!!」
毎日恒例のイヤイヤ攻撃。
幼稚園に通い始めてから涼太君はいつもこうだ。
「おはようございます…」
「おはようございます。お願いします」
「イヤイヤイヤっス~!!ママ~」
「行ってらっしゃい~」
日向先生と二人で涼太君を無理矢理バスに乗せ、バスは無事に幼稚園に向かっていった。
バスの後ろの席では、窓に顔をへばりつきながらこちらを見ている涼太君が。
そんな涼太君に手を振り見送った。