第7章 お祭り(五つ子)
「では、私たちはそろそろ…」
「すいません。引き止めてしまって」
「お兄ちゃん!!」
「なんスか?」
涼太君はなんか黄瀬君とこそこそと話していた。
あれ?この光景どこかで…
私の記憶から探し出してみると、辿り着いたのは征くんと一緒に来たあの日のお祭りだった。
たしか、あの時も同じように征君とショウ君が話していた。
「今度はまさか逆の立場になるなんて思わなかったよ」
「本当ね…」
私は黄瀬君と別れたあと涼太君に聞いてみた。
「ねぇ、涼太君。さっき何話してたの?」
「えっとねー。お兄ちゃんとお姉ちゃんは恋人なの?って聞いたら、今はそうだけど、いつかはパパとママみたいになるって言ってたっス!!」
「そうなんだ…」
じゃあ、近い将来そうなるのかな?あの2人…
「あー!!それ俺の焼きそばとりんご飴っスよ!!」
「「早い者勝ちだもんねー」」
「相変わらずうるさいのだよ」
「心配したのがバカみたいです」
「酷いっスよー2人共ー」