第7章 お祭り(五つ子)
「征くん!!征くん!!」
私は征くんを呼んだ。
「なんだい、一体。彼がモデルの黄瀬涼太君……って言いたいのかな?」
「そうなの!!ビックリしちゃったー」
「すいません。色々とご迷惑をおかけして…」
「いいんすよー。ねぇー美奈子」
美奈子…
へぇ…この子私と同じ名前…
涼太君も同じ名前だし…すごい偶然。
「涼太てめぇなにお面もってんだよ!!」
「涼ちんずるいー」
「お兄ちゃんに買ってもらったっス!!」
「見ればわかるのだよ…」
「涼太君の焼きそばあるのにまた焼きそば食べたんですか?」
「違うっスよ。これは、お・こ・の・み・や・きっス!!」
「食べたのには変わりはないのだよ…」
涼太君が戻ってくると、さっきまで暗かった雰囲気が一気に明るくなった気がした。
「お面にお好み焼き!?すいません。お金払いますね」
「大丈夫っスよ。涼太君なんか他人な気がしなかったんスよね…うん。それに涼太君の兄弟、知り合いににてる気がするんスよー」
「えっ!?」
この子に似てる人っているんだ…
流石有名人だけあるなー