第7章 お祭り(五つ子)
「一応来てた知り合いに声をかけておいた」
暫くして征くんが戻ってきた。
「そう…」
涼太君が迷子になって時間が経ち始めていた。
「はぁ…」
さっきからため息しか出てこない。
こう言うとき、涼太君は…
「ママー!!」
そうそう。そう言って私を呼んでくれる。
ん?
「ええっ!!」
今涼太君の声が…
した。
「お兄ちゃんー!!ママいたっス!!」
声のする方に顔を向けるとそこには涼太君が背の高い男の子に肩車されていた。
「征くん!!涼太君いたよ!!」
私はすぐに涼太君の方に駆け寄った。
「涼太君!!」
「ママー!!」
私は涼太君をおもいっきり抱きしめた。
「よかった…本当によかった…」
「ママーぁ!!」
涼太君も私も一緒に泣いていた。
「なんかお面屋さんの前にいたんスよ」
涼太君を連れてきた人が言った。
「すいませんでした。息子が…」
「いえ…見つかって良かったです」
征君は一人の少女と一緒に話していた。
それにしても…涼太君見つけてくれたのって…
「あの…こんな時に聞いていいのか…」
「なんスか?」
私は聞いてみた。
「もしかして…モデルの黄瀬涼太君ですか?」
「やっぱ目立つっスかね…?」
きゃあー!!本物!!