第3章 赤司家の日常
「真太郎君、何にしたんですか?」
「これなのだよ」
「んーーと……はらぺこあおみね……へんなのー」
次男の持っている絵本のタイトルを四男が読んだ。
「こんなの聞きながら寝れないッスよ!!」
「この絵本のキャラクターって、大輝くんにそっくりでしたよね」
五男がそう言うと長男、次男、四男はじーっと絵本の表紙と三男を見比べた。
「「「「ぷっ……」」」」
「笑うな!!」
4人が三男をみて笑っていると私がドアが開きやって来たのだ。
「ママー!!」
長男は私に抱きつこうとしたが、寝転んでいる四男につまづき転んだ。
「痛いよー」
「痛いッス……」
四男は足元を、長男は顔をおさえていた。
「大丈夫?2人とも…」
私は長男を起こすと自分の布団に連れていった。
「ママ、今日の絵本はこれなのだよ」
「はい……じゃあ読むよ…」
私は次男の持ってきた絵本を読んだ。
私が絵本を読み終わったころ、五つ子たちはスヤスヤと夢の中に入っていた。
私は音を立てずにそっと部屋を後にした。
「おやすみなさい。五つ子ちゃん」