第3章 赤司家の日常
ガチャ
家の玄関が開くと同時に沢山の足音がする。
「「「「「ただいまー」」」」」
一気に賑やかな声が家中に響き渡る。
「おかえりなさい」
私は五つ子と征くんを迎え入れる。
「マーマぁー!!」
いきなり長男が泣きながら私の元へやって来る。
「り、涼太君どうしたの?」
「ママじゃなくってパパだったっス!!」
「悪かったね…俺で」
「僕はパパでよかったよー」
征くんが言った後四男は口の中をもぐもぐしながら口を挟んだ。
「涼太はまだまだ子どもなのだよ」
「そうそう、長男のくせにな」
「そうですよ。涼太くんはもう少し考えた方がいいです」
次男、三男、五男と全く長男をかばうものなどいなかった。
「酷いッスよー皆!!ママー」
「よしよし………ほら皆、着替えようね」
私は長男を抱き上げると他の五つ子たちを引き連れ着替えに向かった。