第3章 赤司家の日常
【火神】
ついにこの時が来た。
そう、今日の幼稚園が終わり今は帰りのバスの中で五つ子ともおさらばだ。
朝は、いつも最後なのだが帰りは1番最初に降りていく。
バスのような狭い空間でなおずっと一緒だと身が持たない。
「もうすぐママに会えるっスね!!」
五つ子で1番のママっ子の長男はウキウキしている。
朝はあんなに号泣していたのに…
恐るべし母親の存在。
次男は今日もほとんどの時間ラッキーアイテムを持っていた。
三男は1日にどれくらいの時間寝ているのか分からないが、またバスで寝ている。
四男は前でバスを運転中の木吉先生にお菓子をねだっている。
その木吉先生は赤信号の時にどこから持ってきたのか分からないが、飴を取り出しあげていた。
五男は………………どこだ?
「僕はここです」
「うわぁっ!!」
一体いつからそこにいたのか分からないが五男はいつもいきなり姿を現す。
これでどのくらい寿命が縮んだか…