第3章 赤司家の日常
【赤司】
「んーふかふかで気持ちいー!!眠くなっちゃう」
美奈子が布団にゴロンとしている。
「じゃあ…少し寝てみる?」
「えっ…」
俺は美奈子に覆い被さるようにし、耳元で囁く。
「そういえばまだだったね」
「何が?………っん」
俺は美奈子に考える隙も与える前に唇を重ねた。
唇が離れると美奈子は顔を真っ赤にしてこちらを見つめていた。
「せ、征くん…」
相変わらずキスをすると照れている。
別に今日が初めてでもないのだが、美奈子にとっては毎度恥ずかしいらしい。
「征くん…バス来ちゃう」
暫く抱き合うような体制でいたら美奈子が口を開いた。
「今日は俺が行くよ」
美奈子に言うと俺は外へと出た。
たまには自分で迎えてあげるのも悪くないが、本当の理由はまだ顔を真っ赤にしている美奈子を外には出したくない。
しかし、五つ子は変な所が鋭い。
長男や三男は特に美奈子に関しては敏感だ。
一体誰に似たのだが…
でもまぁ、バスを降りたときの五つ子の反応が楽しみだ。