第3章 赤司家の日常
【火神】
幼稚園に着くと園長が笑顔で園児たちに挨拶している。
「園長せんせーい、おはよーございます」
「おはよう」
次々と園児たちが自分たちの教室に入って行くなか、やはり五つ子たちはなかなか入ってはくれなかった。
「じゃあ、教室まで競争っスよ!!」
「のぞむところだ!!」
「よーい、どーん」
長男と三男は四男の合図と同時に走り出した。
俺の予想だとゴールしたとたんにどっちが1番だったかというけんかが始まる。
しかし、ゴールの先には日向先輩…先生か、日向先生がいる。
「日向先生!!危ないっす!!」
「あん?…えっ!?ちょっ、マジかよ…」
遅かった…日向先生がこちらに気づいた時には2人はゴールした時だった。
「俺の勝ちー」
「俺っスよ!!」
始まった…けんかが。
この2人はけんかしかすることが無いのか…いや、むしろ五つ子のけんかなどこの2人以外遭遇したことがない。
「ちょっ、お前らマジでやめてくれよ…」
俺以外だと日向先生が巻き込まれる。
日向先生ドンマイ。
俺は2人を日向先生に託すと教室へと急いだ。