第3章 赤司家の日常
「ねぇ、バスまだー?」
四男が私の服の裾を引っ張りながら聞いてきた。
「もう少しだから、待ってようね」
私が言うと隣にいた五男をいじり始めた。
「やめてください。痛いです」
「だって僕より小さいもん」
五男の頭をポンポンと叩いていたが、五男の方は隙を見つけて反対側に走っていった。
「あーあ…行っちゃった」
「なんだそれ、またラッキーアイテムもってんのか」
「うるさいのだよ」
少し離れた所では次男と三男が話し込んでいた。
「コレはママに貰ったのだよ。これがあれば今日は絶好調なのだよ」
「ふーん。まぁ、俺は興味ないけど……いてっ!!」
すると三男の後ろからポーンとボールが飛んできた。
「あっ!!ごめんっス」
長男が庭からボールを持ってきて遊んでいたのが三男に当たったらしい。
「何すんだよ!!」
三男は長男めがけてボールをおもいっきり蹴った。
「もー!!何するんスか!!」
2人は今日二回目のけんかが始まった。
「こらこら、けんかはダメよ」
私はすかさずけんかを止めに入った。
2人はブスッとしながら私の両隣でバスを待った。