第3章 赤司家の日常
「テツくん準備終わった?」
「うん…」
「じゃあ向こう行こうか、あっくんと真ちゃんもおいでー」
「ママ、今日のラッキーアイテムは犬のキーホルダーなのだよ」
「そうなの?あったかなーちょっと待っててね」
次男のラッキーアイテムを探すため引き出しを開け犬らしいと思われるキーホルダーを見つけ出した。
「あったよー」
ラッキーアイテムを渡すとそろそろ終わったであろうけんかを見に行った。
「お前たち、何をやっている」
「「パパ」」
様子を見に行ったら征くんが止めに入っていった。
「朝から騒々しいぞ」
少し様子を見ることにした。
「ママに迷惑かけるな。いいな、パパの言うことは…」
「「ぜったーい」」
征くんの質問に声を合わせて答えた2人はようやく決着が着いたようだ。
「じゃあそろそろ行くよ」
「行ってらっしゃい」
玄関で征くんを見送っているとチュッと不意にキスをして
「行ってきます」
と出かけて行った。
「「「「「行ってらっしゃいー」」」」」
五つ子ちゃんたちも後ろから見送って行った。
「ちぇっ!!パパだけズルいっス。ママにちゅーなんて」
私の足元を掴みながら長男は言った。
「えっと……あっ!!ほっ、ほらみんなもそろそろ出ないとバス来ちゃう」
私は話を無理矢理かえ仕度に戻った。