第12章 バレンタインkiss
「美奈子、このあとどうするんだ?」
「あ…え~と」
そういえば持ってきたのは学校の用具だけだった。
時間的にも新幹線があるかどうかもわからない。
「はぁ……仕方ない。美奈子の家には僕が連絡しておくから」
表情は呆れていながらも優しい声で征くんは私を連れて今暮らしている部屋に行った。
「わあ…広いね」
征くんの暮らしているという部屋は1人で暮らすにはもったいないくらいに広かった。
「こんなに広かったら寂しくない?」
「普段はやることが多いからそう感じる事はないよ」
さすが征くん。
京都に来ても文武両道、完璧なんですね~
「でも…俺だって………」
バサッ━━━
「あれから美奈子に会えないから……」
ソファーで征くんの膝の上に座らされると、耳元でボソっと囁かれた。
「征くん………っん」
お互いの目が合うと唇が重ねられた。
征くんが角度を変えながら何度も重なる唇は次第に深く激しくなっていった。
「美奈子…今日は俺の…」
「好きにして…征くんの」
この1ヶ月会えなかった分とこれからの分。
私は時間を埋めるように征くんに身を委ねた。