第12章 バレンタインkiss
【赤司】
目を覚ますと、隣にはスヤスヤと眠っている美奈子の姿が。
カサっ━━
手に当たったのはラッピングされた箱。
手に取り開けると中にはハート型になった生チョコが入っていた。
1つ口に入れると俺好みの味だった。
「これだけの為に…」
離れているから簡単には会えないことは分かっていたのに。
W・C後、どこか気持ちの整理が付かなかったり忙しい事もあり、俺は連絡すらしなかった。
出来なかった。
決勝の相手が誠凛だったから。
終わったあとも普段通りに俺の前では振る舞っていたが離れて京都に着いた途端に心にポッかりと穴が開いたように過ごすようになっていた。
バスケで気を晴らそうとしたが無理だった。
何かが足りない。
『征くん!!』
何が足りなかったのかは彼女が来て直ぐにわかった。
「………美奈子、君だった」
いつも隣にいることが当たり前だった彼女と離れて暮らすとどれだけ自分が惚れていたか自分でも恥ずかしいくらいに感じさせられた。
「あと2年だけ…そしたら俺はまた、君の隣に戻るから」