第12章 バレンタインkiss
【赤司】
用事を済ませ体育館に戻る途中、実渕たちに会った。
「今はまだ部活…」
「征ちゃん、お客さんよ。私たちはお邪魔みたいだから退散するわ~」
「いいな~赤司だけ」
「あれチョ…ぐっ」
「黙りなさい!!じゃあ、また明日~」
こんな時間に客人?
一体誰が?
体育館に入り目に写ったのはいるはずないと思った彼女だった。
「美奈子?」
「征くん!!」
座っていた美奈子は僕を見るなり飛び込んできた。
「征くん…会いたかった」
まさか京都に来るとは思わなかったから
東京から1人で。
「学校は?」
制服のままだから学校があったはず。
「終わって新幹線に乗ってきた」
明日は休みだから大丈夫そう言って美奈子は顔を上に向けた。
「今日はどうしても征くんに会いたくて」
持っていた鞄からラッピングされた箱を差し出された。
「今日は…バレンタインだから」
そうか…忘れていたよ。
2月14日バレンタイン
だから学校中がソワソワしていたのか。
そう言えば俺も幾つか貰ったな…葉山が欲しそうにしていたから渡したが。
「ありがとう」
俺は美奈子から受け取った。
彼女から貰ったのなら他の男なんかには譲らないがな。
京都まで来て受け取らなかったら天罰が下るだろうな。
東京から色々とな