第12章 バレンタインkiss
誰に聞いても、いいアドバイスは無く返される台詞は同じだった。
『京都と遠距離は遠いね~』
『気持ちが大事だよ!!』
『3年なんてあっという間だから大丈夫だよ!!』
なんて周りは関係無いから無責任なことばかり発する。
少し位大丈夫?
3年我慢すれば?
お正月、冬休みに会ったのが最後で最近はメールも電話も無いのに…
「美奈子さん?」
「黒子くん…」
「今、帰るとこですか?」
「うん…」
「一緒に帰っても良いですか?」
「もちろん!!大丈夫だよ」
マジバの近くで黒子くんに出会い、一緒に帰ることにした。
「赤司くんの事ですか?」
「え?」
「最近、あまり元気が無いようなので…」
「そ、そうかな?私はいつも通りなんだけど」
「無理はいけませんよ。気持ちを溜め込んでばかりいたら…辛いのは美奈子さんなんですから。いつでも頼って下さい。僕に出来ることは協力しますから」
「黒……子く…ん」
黒子くんの言葉に安心したのか涙が溢れていた。
「と、取り合えず今は移動しましょう」
通りすがりの人たちが泣いている私を見て黒子くんが泣かしたと思いながら過ぎていくのを見て、黒子くんは少し焦りながらも私を家に送ってくれた。