第1章 出会い
「今日からここでお前には修行をしてもらう。」
連れてこられたのはいつもサスケにぃたちが修行をしているところから少し離れたところ。お父さんは淡々と言った。
「まずはお前がどの位力を持っているのか知りたい。組手だ。こい」
………来いと……言われても……。まだ組手がどのようなものかということも教えてもらったことがないので私は突っ立ったまま。それにイラついたのかお父さんはすごい眼力で私を見る。
「…………………来ないならこちらから行くぞ。」
「わっ!!」
お父さんが拳を大きく振り上げて私に向かう。私は無意識にそれを受け流す。
「……………イタチにでも教えてもらったか。なかなかいい動きだ。」
………イタチにぃ、修行に関して私を関わらせなかったもんな。今になって教えてもらえばよかったと後悔。
私はお父さんにこれまた無意識で回しけりをくらわせた。
「………ふむ。お前は体術の才能があるみたいだな。普通ここまでは動けん。」
なんだか満足そうなお父さん。
「今度はクナイだな。ほれあそこの木に投げてみろ。」
突然渡される鋭利な刃物。今までは包丁でさえ持たせてくれなかったのに。……使い方の説明してくれないかな。ちらっとお父さんを見るとなんだかまた眼力が………。
「えい!」
どうにでもなれと投げると運良く木に刺さる。
「…ふむ。クナイはそこそこか。ユキ、お前印は習ったか?」
…イン?
「…まあ、ものは試しだな。俺の後に続いてやってみろ。」
お父さんはやはり大した説明もなく淡々と進めていく。そして川のそばまで歩き、印を結んだ。
「火遁豪火球の術」
お父さんはなんと炎を口から出したではないか!
「すごい!お父さんすごい!」
「やってみろ。」
…………へ?
お父さんは先ほどと同じくじっと私を見つめる。大した説明もないまま。
「えっと…………こうやって……こうやって………こう………かな。火遁豪火球の術」
…………………。やっぱり何も出ない。
「…………。」
ち、沈黙が痛いです。