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悪色に染まる

第1章 出会い


「今日の修行はここまでだ」

「あ…ありがとう…ございまし…た」

なんとまあ朝から昼過ぎまでしましたとも。私もうダメです。意識が遠くなりました。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

父さんがユキをどこかへ連れていってから数時間経つ。

「お昼ごはんできたわよー!サスケー、イタチーお皿用意して」

出ていく前の父さんの顔が目に浮かぶ。…怒りのあまりユキを木に縛り付けてたりしてないだろうか。

「ちょっと二人とも何して…」

すすり泣くユキの顔が浮かぶ。やはり無理矢理にでもついていけばよかった。

「…ふたりとも何神妙な顔してんのよ」

「母さんは心配じゃないの!?」

サスケが叫ぶ。

「大丈夫よ。あの人はあなたたちが思っているよりずっとユキにベッタリなんだから。」

「…どういうこと?」

「そのままの意味よイタチがユキにべったりみたいにね。あなたたち本当にユキが好きなのよね」

笑う母さん。

「…ユキ木に縛り付けられてないかな…」

呟くサスケに不安が大きくなる。

「…俺ちょっと見てくる」

勢いよく立ち上がり走り出した。

「お、俺も!」

「サスケは皿をだしなさい!」

後ろからサスケの助けを求める声が聞こえたが、俺は構わず森へと走り出した。

☆☆☆☆☆☆

「ユキ!!」

「……イタチか」

イタチは父に見向きもせずその背中にいる泥だらけのユキを見つめた。

「…ちょうどいい。ユキのことで話がある。」

「……………なんでしょう…」

「こいつは才能の塊だ。お前の全盛期をこえるくらいにな。明日からシスイに頼んで稽古をつけてもらおうと思ってるが、いいな?」

その顔は心なしか嬉しそうだ。だが、イタチは冷ややかに父を睨みつけた。

「…あなたは…ユキまでもこちらの世界に引きずりこまれるおつもりですか」

「…まだその段階までは考えてはいない。だがそうなる日は近そうだ。」

「……………。」

「お前もそろそろ任務に向かえ。」

「…はい」



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